チルド米飯とは、炊きあがった米飯を真空冷却にて4℃と言う氷温に近い温度帯まで急速に冷やし、氷温冷蔵(プラストチラー)によって4℃で保存、炊飯後3~7日間保存できるため、作り置き等計画生産が可能になる。チルド米飯は冷凍処理と違って米飯の内部構造を壊すことなく保存できるため、再加熱後は炊きたてに近いおいしさを再現できる。但し通常のうるち米を米飯にするとチルド時に水分が抜けやすく、やや硬くパサついた食感になりやすい等の難点がある。
これを解決するために半もち特性を持つ低アミロース米をチルド米飯に使うと、軟らか過ぎてベチャついてしまい、外硬内軟型の食感が求められる業務用米飯には適さない。また、チルド米飯用のコメはもち米に近い澱粉のため米質が脆く、搗精時の水分蒸発も多い特徴があり精米が特に難しい。穀温上昇を抑え、いかに水分を抱き込むように精米できるかがカギになる。MDA精米は静電気を除電しながら搗精出来るため穀温上昇を極力制御でき、割れが少なく良質米率を極めて高く出来る精米技術である。コメの硬度を改善できるため米飯の硬度も高く、外硬内軟型を保持できるチルド米飯に適した精米が可能になる。