あんは和菓子の主要な要素原料として広く使用されています。
あんの原料には主として小豆(あずき)やその他、インゲン豆、エンドウ豆、ソラ豆などが使用されている。いずれも蛋白質や、澱粉に富み脂質に乏しい成分を有しています。
これらの豆類では、澱粉粒が蛋白質に固く囲まれて密着して細胞内に取り込まれているので、豆類を粉砕して水を加えて加熱すると細胞膜が壊れ澱粉粒が飛び出し、のり状態になるのであんにならない。しかし豆そのままの形で水と煮ると、蛋白質が熱凝固して澱粉粒をつつみこみ、細胞内に固着するのでのり状態にならずにあんを作ることができます。
通常、あん製造は次のような工程で行われます。小豆を一夜水に漬けて膨潤させた後、多量の水を加えて煮沸する。そして、あく抜きのため煮汁を捨てる。再度水を加えて煮沸し、ときどき、差し水を行いながら軟らかくなるまで煮沸を続ける。豆をつぶし、裏ごしをかけ、水を加えて撹拌し、上澄みを捨てあく抜きを数回繰り返して行った後沈澱物を集め脱水したものが生あんになります。これを乾燥したものがさらしあんとなります。
これに対しMDA電子方式のあん製造システム装置(以下MDAあん製造システム装置という)は先ず小豆をMDA原料台で一定時間処理した後MDA方式の電子水に小豆を浸漬するとより短時間で水の吸水率が促進されることから、小豆に所定の水分をより速く包含させ促進させるMDA電子水浸漬装置と、所定の水分を含有した小豆をMDA電子方式の加熱システムにより大幅に省エネルギーで煮沸しあん製造装置とから構成されます。MDA方式は大幅な少ないエネルギーで煮沸が達成されることが特徴です。
このMDA方式は吸水を促進し、またアク抜きを活発にします。その結果小豆の蛋白質が有効に熱凝固し澱粉粒を包み込んであんになるものと、分子の電気的結合力が安定し、⊖の電気と⊖の電気が反発して静電斥力が仂き、細胞膜からなる皮との分離が容易になり、あんを無駄なく取り出し製品化できます。
取り出されたあんは、色、艶、香り、味ともども自然の風味が生かされ、こだわりの美味しいあんが製造されることになります。